【S8-1】発生毒性リスク回避のための避妊
第一三共株式会社 ワクチン研究所
厚労省から2021年10月に「医薬品の投与に関連する避妊の必要性等に関するガイダンス案」に対して意見の募集が行われた。このガイダンスは生殖可能な患者への医薬品投与による次世代に対する発生毒性および遺伝毒性の潜在的リスクを最小限に抑えることを目的とし、避妊が推奨される条件および避妊期間に係る基本的な考え方が示されている。添付文書上の避妊を規定する際の設定方法および医療現場における当該情報の解釈の助けとなることが期待されている。
本ガイダンス案はまず遺伝毒性のある医薬品とない医薬品に分け、遺伝毒性のない医薬品はさらに発生毒性のある場合とない場合に分類しそれぞれについて男性患者と女性患者における避妊について記載されている。遺伝毒性はないが発生毒性を誘発する医薬品について、男性患者ではパートナーへの精液を介した医薬品の移行による発生毒性リスクを検討する必要があるとされている。避妊期間については最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)を代用することが示されている。なお、パートナーの曝露量に安全域を考慮することが適切であるとされていると記載されているが、具体的な記載はない。女性患者でも同様に最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)に基づく避妊期間を設定することが必要であるとされている。ただし、無毒性量に対して十分な安全域を確保できる、有効量と無毒性量の比率が大きい医薬品については、次世代へのリスクは考えにくいため、避妊期間の設定は不要と考えると記載されている。しかし、これについても理解を助ける説明はない。
今回の発表では、必要以上の過大な避妊の設定は患者の利益を損なう可能性もあることから、男性患者のパートナーの曝露量の安全域ならびに女性患者における無毒性量に対しての十分な安全域について考えてみたい。
本ガイダンス案はまず遺伝毒性のある医薬品とない医薬品に分け、遺伝毒性のない医薬品はさらに発生毒性のある場合とない場合に分類しそれぞれについて男性患者と女性患者における避妊について記載されている。遺伝毒性はないが発生毒性を誘発する医薬品について、男性患者ではパートナーへの精液を介した医薬品の移行による発生毒性リスクを検討する必要があるとされている。避妊期間については最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)を代用することが示されている。なお、パートナーの曝露量に安全域を考慮することが適切であるとされていると記載されているが、具体的な記載はない。女性患者でも同様に最終投与日からの血中の消失期間(半減期の5倍の期間)に基づく避妊期間を設定することが必要であるとされている。ただし、無毒性量に対して十分な安全域を確保できる、有効量と無毒性量の比率が大きい医薬品については、次世代へのリスクは考えにくいため、避妊期間の設定は不要と考えると記載されている。しかし、これについても理解を助ける説明はない。
今回の発表では、必要以上の過大な避妊の設定は患者の利益を損なう可能性もあることから、男性患者のパートナーの曝露量の安全域ならびに女性患者における無毒性量に対しての十分な安全域について考えてみたい。