【S6-2】奇形症候群と網羅的ゲノム解析 ―解析から見えてくるもの―
国立成育医療研究センター ゲノム医療研究部
希少疾患の多くに奇形症候群、即ち何らかの先天異常を呈する疾患が含まれている。この希少疾患は、非常に多くの種類が知られているが、うち、約8割は遺伝子関連疾患と言われている。奇形症候群についても、胎児性アルコール・スペクトラム障害のように環境要因が主な原因とされる疾患があるものの、その多くの原因が遺伝子の変化として見出されるため解析対象となっている。そこで、近年、ゲノム解析技術の進歩に伴い、各国で奇形症候群を含む希少疾患に対して網羅的ゲノム解析が行われており、約40%前後でその原因となる遺伝子バリアント(病的バリアント)が特定されている。現在、解析の結果、原因となる遺伝子変化の多くが、de novoで生じていることが確認されている。即ち、発生初期に生じた遺伝子の機能変化が形態形成等に影響を与えており、その分子病理を解明することは、先天異常を理解する上で重要な知見を与えると考えられる。
本講演では、ゲノム変化からみた先天異常(奇形症候群)に関して、演者らの経験も踏まえ、希少疾患全般に対して行われている網羅的ゲノム解析を紹介する。
まず、どのような疾患(症状)が解析対象となっているか、概要や実際の解析例をいくつか紹介し、次に、同じまたは類似の奇形症候群について、その遺伝要因(ゲノム異常)、あるいは環境要因(催奇形因子)など、それぞれを比較することで先天異常の理解が深まる可能性について提示する。そして、複数の原因遺伝子が知られている奇形症候群、即ち遺伝子座異質性が知られている奇形症候群の表現型を詳細に検討することで先天異常の理解が深まる可能性について提示し、奇形症候群(先天異常)の網羅的遺伝子解析により得られる知見が先天異常の成り立ちに貢献できることを考えてみたい。
本講演では、ゲノム変化からみた先天異常(奇形症候群)に関して、演者らの経験も踏まえ、希少疾患全般に対して行われている網羅的ゲノム解析を紹介する。
まず、どのような疾患(症状)が解析対象となっているか、概要や実際の解析例をいくつか紹介し、次に、同じまたは類似の奇形症候群について、その遺伝要因(ゲノム異常)、あるいは環境要因(催奇形因子)など、それぞれを比較することで先天異常の理解が深まる可能性について提示する。そして、複数の原因遺伝子が知られている奇形症候群、即ち遺伝子座異質性が知られている奇形症候群の表現型を詳細に検討することで先天異常の理解が深まる可能性について提示し、奇形症候群(先天異常)の網羅的遺伝子解析により得られる知見が先天異常の成り立ちに貢献できることを考えてみたい。