【S4-1】新規先天異常症候群の探索:臨床と基礎をつなぐ
慶應義塾大学 医学部 臨床遺伝学センター
次世代シーケンサーの登場によりゲノム解析技術が大幅に向上し、数多くの先天異常症候群が確立された。新規先天異常症候群として認められるためには、[1]血縁関係のない2名以上の類似した症状をもつ患者が存在すること、[2]変化のみられた共通する遺伝子の機能解析がされていること、が求められる。この要求を1名あるいは1施設のみで応えることは難しく、多施設・多研究者との連携が必要になる。
[1]を達成するためには、臨床医同士で連携し、候補となる遺伝子や該当患者が持つ症状をデータベース化しておくことが肝要である。使いやすいデータベースとするためには、情報技術者との連携を行い、目的達成に向けてどのような機能を搭載するのか、登録しやすいデータベースとなっているか、十分な話し合いが必要になる。
[2]を達成するためには、モデル生物を用いた基礎医学研究者との連携が必要になる。幸いにも演者は未診断疾患イニシアチブを通じた研究(IRUD-beyond)で、線虫、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュの研究者の協力が得られ、NSF、OTUD7A, CTR9遺伝子に起因する新規疾患を確立することができた。
先天異常症候群の研究には、さまざまな職種・人材との連携が必要である。まもなく診断から創薬へと転換していくことが予測される。これらの創薬へ進むにあたって、モデル動物を用いた毒性実験を含む検証、患者への投薬にあたっての倫理的な課題の解決、投与した結果の臨床評価など多種多様な人材が必要とされる。引き続き、本学会を通じて、先天異常症候群の病態解明、治療法の開発に取り組み、医療に貢献したい。
[1]を達成するためには、臨床医同士で連携し、候補となる遺伝子や該当患者が持つ症状をデータベース化しておくことが肝要である。使いやすいデータベースとするためには、情報技術者との連携を行い、目的達成に向けてどのような機能を搭載するのか、登録しやすいデータベースとなっているか、十分な話し合いが必要になる。
[2]を達成するためには、モデル生物を用いた基礎医学研究者との連携が必要になる。幸いにも演者は未診断疾患イニシアチブを通じた研究(IRUD-beyond)で、線虫、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュの研究者の協力が得られ、NSF、OTUD7A, CTR9遺伝子に起因する新規疾患を確立することができた。
先天異常症候群の研究には、さまざまな職種・人材との連携が必要である。まもなく診断から創薬へと転換していくことが予測される。これらの創薬へ進むにあたって、モデル動物を用いた毒性実験を含む検証、患者への投薬にあたっての倫理的な課題の解決、投与した結果の臨床評価など多種多様な人材が必要とされる。引き続き、本学会を通じて、先天異常症候群の病態解明、治療法の開発に取り組み、医療に貢献したい。