【O-59】神経幹細胞移植効率向上因子の検索:腸管神経節症に対する新しい治療法の確立をめざして
1)金沢医科大学 小児外科
2)金沢医科大学 小児科
2)金沢医科大学 小児科
腸管の運動などを調節する腸管神経系は,胎生期に神経堤由来細胞(ENCCs)が腸管全長に遊走して形成され,その異常は腸管神経症を引き起こす。これに対しENCCsを病変部に移植する細胞補充療法の確立が望まれるが,多くの課題が残されている.これまでにNCCsは分化した腸管には十分に遊走しないこと報告されている.本研究では、腸管表面に多く発現するcollagen(Col)3,6が、fibronectin(FN)によるENCCsの遊走促進効果を阻害することを明らかにした。さらにマウスex vivo移植実験系で,腸管をCollagenaseとFnで処理すると,移植ENCCsの遊走が腸管表面から深部方向へ変化することを示した。この現象は移植ENCCs周囲平滑筋の発現低下に比例して増強し,移植ENCCs依存的にGDNFの発現が誘導されていた。これらの知見は、現在の細胞治療戦略の改良に資する可能性がある