【O-57】発生期の血管ネットワーク形成におけるTip cell転写因子JunBの役割とその制御因子の探索
金沢医科大学 医学部 生化学
血管は体の多くの場所で神経と並走しており、血管ネットワーク形成における神経との相互作用の重要性が指摘されている。しかしながら発生期の血管がどのように方向を決めて神経と並走した血管網を構築していくのかは十分明らかになっていない。我々はこれまでに末梢神経との並走過程で、神経との相互作用により血管内皮細胞で発現上昇する転写因子JunBが神経-血管並走過程に必須の分子であること、血管内皮細胞にJunBを発現させるとTip細胞様に変化して細胞運動を亢進することを明らかにした。本研究では、血管ネットワーク構築過程でのJunB の役割を明らかにすることを目的とし、神経との接触で何がJunBの発現を誘導するのかを明らかにするために、JunBプロモーターレポーターを用いた全遺伝子を対象としたCRISPR/dCas9遺伝子活性化ライブラリーを利用してJunBの上流制御因子の同定を試みたので報告したい。