【O-44】5/6 腎臓摘出母体時の新生子の肝臓および膵臓:Fetal growth restriction(FGR)モデルとしての特性の解明
大阪公立大学大学院 獣医学研究科 獣医学専攻 統合生体学領域
【目的】母体5/6腎臓摘出時の低出生体重児の肝臓と膵臓の変化を調べた。【材料・方法】Wistar系ラットに母体5/6腎臓摘出を施し、得られた新生子を摘出群とした。摘出群の一部は生後1日に3匹にlitter調整し、L3群とした。無処置母体から得られた新生子を対照群とした。生後4週齢で肝臓,膵臓を採取し、常法によりパラフィン切片を作製後、酵素抗体法により膵島グルカゴン陽性細胞の局在を調べた。また、血清中のALT,AST,アミラーゼ,リパーゼを測定した。【結果及び考察】母体5/6腎臓摘出によって新生児の体重は小さくなったが、L3 群は3週齢で対照群に追いついた。4週齢L3群における膵島グルカゴン陽性細胞は摘出群と対照群に比べて増加した。L3群の血清アミラーゼは摘出群、対照群に対して有意に高かった。以上のことから、母体5/6腎臓摘出による低出生体重児に幼若期の急速な体重増加を引き起こすことでFGRモデルとしての有用性が高まると考えられた。