【O-42】脳脊髄液は前頭蓋底、脈絡叢から頭蓋外へ排出される可能性がある -マウス胎児脳室内への粒子注入研究―
1)富山大学 医学部 脳神経外科
2)金沢医科大学 医学部 解剖学Ⅰ
3)富山大学 医学部 病理学
2)金沢医科大学 医学部 解剖学Ⅰ
3)富山大学 医学部 病理学
目的 脳脊髄液中の物質の頭蓋外への排出路を明らかにすることを目的とした。方法 胎生13日のマウスを、麻酔下に胎盤につながれた状態で、直視下に側脳室を穿刺した。1) 蛍光抗体を注入し、その動態をlive imageで観察、2)金粒子混合液を注入し、固定、銀染色後に透明化、あるいは電子顕微鏡下にその集積を検討、3) Cadaverineを注入し、その移動部位を組織学的に検討。結果 1) 蛍光抗体動態:分子量の小さい粒子は、時間経過とともに胎児全体に拡散したが、高分子量粒子は、頭蓋内に留まった。2) 金粒子動態: 前頭蓋底に集積していた。電顕観察では、脳室上皮間に沈着し、肝臓には2 nmの小粒子のみ到達していた。3) Cadaverine: 前頭蓋底、脈絡叢、脳室上皮、大脳白質細血管周囲に沈着していた。結語 脳脊髄液中の粒子は、脳室上皮間から脳実質間を経て前頭蓋底から頭蓋外へ、あるいは脈絡叢から血行性に頭蓋外へ排出される可能性が示唆された。
赤井先生、興味深く拝聴させて頂きました。ありがとうございます。
脳脊髄液の流れについて、粒子以外で検討する方法はあるのでしょうか。粒子の流れ、分布が水の流れをみているのかという疑問をもってしまいました。
済生会富山病院脳外科 塚田剛史