◯ 石田 慶士 1)、 南川祥輝(1)、 辰巳佳乃子(1)、 森一馬(1)、 松丸大輔(1)、永瀬久光(2)、 諫田泰成(3)、 田熊一敞(4)、 中西剛(1)
1)岐阜薬科大学 衛生学研究室
2)岐阜医療科学大学 薬学部
3)国立医薬品食品衛生研究所 薬理部
4)大阪大学大学院 歯学研究科 薬理学教室
2)岐阜医療科学大学 薬学部
3)国立医薬品食品衛生研究所 薬理部
4)大阪大学大学院 歯学研究科 薬理学教室
発達神経毒性(DNT)のリスク評価にはin vivo DNT試験がガイドライン化されているが、煩雑なためより効率的な評価手法の開発が望まれている。本研究では神経分化マーカーのプロモーター制御下にLuciferase(Luc)を発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製し、DNT評価における有用性を検討した。Tgマウスの脳のLuc活性は出生直後にピークを迎え、日齢が進むとともに低下し、離乳期以降は定常状態となった。この変動は神経細胞分化状態を反映していると考えられた。次に自閉スペクトラム症様症状の誘発条件下で母体にバルプロ酸(VPA)を投与したところ、発達期の児動物脳の発光は有意に低下した。成熟期脳においても、VPA投与群では前頭前皮質の神経細胞数とLuc活性が有意に低下した。以上より、本TgマウスはDNTを非侵襲的かつ効率的に捕らえることができる有用なツールとなる可能性が示された。本研究は岐阜薬科大学動物実験委員会の承認を得て行った。