【O-40】3xTgアルツハイマー病モデルマウス脳内でのアミロイド前駆タンパクの細胞内蓄積パターン
1)金沢医科大学 医学部 生理学1
2)富山大学 医学部 システム機能形態学
3)金沢医科大学 医学部 解剖学1
2)富山大学 医学部 システム機能形態学
3)金沢医科大学 医学部 解剖学1
家族性アルツハイマー病(AD)にはアミロイド前駆タンパク(APP)の先天的異常によって生じるものがあることはよく知られている。このうちスウェーデン変異と呼ばれる変異APPの脳内発現が特徴のひとつである3xTgADマウスを用い、変異APPの細胞内への蓄積の時間経過を異なる脳領域において組織学的に検証した。変異APPは大脳皮質、海馬体、扁桃体、脳幹を含む広範囲の脳領域において細胞体蓄積が見られた。このうち海馬体では生後1か月程度から高密度の細胞での変異APP蓄積が見られた。これに対応しADの病理学的特徴である老人斑は、3xTgADマウスの脳内で9-12カ月齢で海馬体においてのみ出現した。一方大脳皮質ではAPP蓄積は海馬体に比べて緩やかに進行し、APP陽性細胞の密度も低く、12か月において老人斑は見られなかった。これらの結果から局所神経回路における変異APPの細胞内蓄積の量的特性と時間特性が老人斑の形成に強く関与することが示唆された。