【O-37】FGF18は歯根形成を制御する
1)東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 分子発生学分野
2)中国 吉林大学口腔病院 口腔顔面形成外科
3)日本女子大学 人間生活学研究科 食物学科
2)中国 吉林大学口腔病院 口腔顔面形成外科
3)日本女子大学 人間生活学研究科 食物学科
歯根膜によって歯槽骨に固定される歯根は咀嚼機能に必須である。ダウン症などの先天異常では歯根形成不全(短根歯)が報告され、歯根形成機序の理解が必要である。SHHシグナルに抑制的に機能する受容体Patched1遺伝子に変異を持つmesenchymal dysplasiaマウス(Ptcmes)は、臼歯が短根歯となることを先行研究で報告した。本研究でPtcmes臼歯の歯根形成は、遅延するが、野生型と同じ長さになることを明らかにした。またPtcmes臼歯では、SHHシグナルと密接に関係するFGFのうち、Fgf18のみ発現量が減少していた。発現パターン解析から、Fgf18は生後8日に歯冠部の外エナメル上皮で発現し、生後10日からは、根尖部の歯髄細胞で発現が観察された。ヒトFGF18タンパク質を浸漬させたビーズを生後6日の歯胚に作用させて腎皮膜下移植すると、歯槽骨様構造物と歯根膜に囲まれて伸長した歯根が観察された。したがってFGF18が歯根形成に重要な因子であることが示唆された。