【O-36】Stickler症候群、Robinシークエンス、および非症候性口蓋裂患者の歯列弓および口蓋形態の比較
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎顔面矯正学分野
Stickler症候群(SS)は、先天性の結合組織疾患でしばしば小下顎や舌根沈下を特徴とするRobin sequence(RS)様症状を合併し、U字型の特徴的な口蓋裂を伴うことが報告されている。一方、これら疾患患者と非症候性口蓋裂(non-syndromic cleft palate; NSCP)患者の歯列弓および口蓋形態を比較した報告は認められない。今回我々は、東京医科歯科大学病院矯正歯科を受診したRS患者6名(8.8歳±2.1歳)、RSを伴うSS患者6名(9.8歳±3.3歳)、NSCP患者6名(8.9歳±1.0歳)の上顎歯列模型を用いて歯列弓形態および口蓋の三次元的形態の比較を行った。歯列弓幅経は小臼歯部においてRS患者、SS患者ともにNSCP患者と比較して有意に小さかった。口蓋容積はRS患者、SS患者ともにNSCP患者に比べ有意に小さく、特に口蓋の小臼歯部よりも前方部において有意に小さかった。以上より口蓋裂の成因の違いからRS、SSとNSCPの歯列幅径、口蓋形態の違いが生じた可能性が示された。