【O-34】マウス顎顔面形態形成過程における一次繊毛関連遺伝子の機能
1)産業医科大学 産業保健学部 人間情報科学
2)京都府立医科大学 医学部 解剖学
2)京都府立医科大学 医学部 解剖学
【背景】腎ネフロン癆の原因遺伝子であるInversin(Inv)とNephrocystin 3(Nphp3)は細胞の一次繊毛に関連するタンパクをコードする。両遺伝子の顎顔面形態形成過程における機能については未解明である為、本研究で解析を試みた。【方法】Inv(null)・Inv(deltaC)・Nphp3(G2A)・Nphp3(pcy)の4種類の変異マウスを用い、顎顔面の表現型について外表的な観察と前頭断切片を用いた組織学的解析を行った。【結果】Inv(null)では口蓋裂や顎下腺管の拡張が認められた。Inv(deltaC)では切歯の先端が鈍円化していた。Nphp3(G2A)では切歯の全長が短縮していた。Nphp3(pcy)では切歯の萌出方向の異常や臼歯の低咬頭が認められた。【考察】本研究の結果により歯を含む顎顔面の正常な発生にInvやNphp3の機能が必須である可能性が示唆された。