【O-28】ヒト胚子期における気管支樹の三次元的変化の定量的検討
1)京都大学 医学研究科 人間健康科学系専攻
2)滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター
3)九州シンクロトロン光研究センター
4)京都大学 医学研究科 先天異常標本解析センター
2)滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター
3)九州シンクロトロン光研究センター
4)京都大学 医学研究科 先天異常標本解析センター
気管支の立体的な形態形成の機序は明らかでない。マウスを用いた研究は三次元的な形態計測結果から胸腔内の空間を満たすメカニズムを提案したが、ヒト気管支について三次元的に検討した例はない。本研究は、カーネギーステージ(CS)18~23(受精後約6~8週相当)のヒト気管支樹の3次元立体像を作成し、形態計測により立体構造の変化を定量的に検討した。対象は京都コレクション保有のCS18~23のヒト胚子位相CT画像27例である。Amiraを用いて全個体の気管支樹の三次元立体像を作成し、分岐点の三次元座標から各分岐平面がなす角と各葉が占有する領域の容量を算出した。親平面と子平面のなす角の中央値はCSに関わらず約60度であり、各葉の容量はCSに伴い増加した。前者はマウスの先行研究結果と類似しており、哺乳類に共通の分岐形成機序が存在する可能性を示している。本研究は医の倫理委員会で承認されている。(R0316)