
【O-25】ラット胚・胎児発生に及ぼすフルクトースの影響
日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所
単糖類の一つであるフルクトース(Fru)は過剰摂取によりラットにおいて次世代の発達障害,特に糖脂質代謝及び神経発達へ影響を与えると報告されている。しかし,Fruの過剰摂取が胎児に先天的な形態異常を誘発するかは報告されていない。そこで,ラットを用いて妊娠期におけるFruの過剰摂取が,胎児に先天的な形態異常を誘発するか検討した。妊娠ラットに,糖質を0,20,40,60,100%Fruに置換した飼料給餌下で交尾確認翌日から妊娠末期まで飼育し,妊娠20日に帝王切開を実施した。得られた胎児について帝王切開時検査(胎児の生存性,胎児体重,胎盤重量),胎児外表,骨格及び内臓検査を実施した。その結果,胎児はいずれのFru飼料においても帝王切開時検査及び胎児の形態に変化は認められなかった。以上,妊娠期間におけるFruの過剰摂取は,ラット胎児に先天的な形態異常を誘発せず,胎児の生存性及び発育への影響も認められなかった。