【O-22】両足脚長差・尿道下裂は15q11.2メチル化異常症の症状となりうる
愛知県医療療育総合センター中央病院
プラダーウィリ症候群(PWS)は染色体15q11-13領域の父性発現遺伝子の発現消失が原因で,共通所見(乳児期低緊張,発達遅滞,性器低形成,成長障害等)から臨床診断は比較的容易。類似する非典型的症状を呈した2名のPWS患者を報告する。患者1は特徴的顔貌,尿道下裂,成長障害と中等度発達遅滞を認めた。左右脚長差を認め,インプリンティング疾患スクリーニングを行い15q11-13のメチル化異常が認められた。両親解析でm-UPDであった。患者2は患者1と酷似する顔貌と脚長差,尿道下裂,成長障害,知的障害を有し,PWS/ASメチル化テストによりモザイク型のPWSパターンのメチル化異常を認めた。 PWSに低身長や外性器低形成以外の先天奇形を伴うことは稀である。今回の2患者の類似する表現型(従来のPWSの特徴とは大きく異なる)は共通の遺伝学的背景を想起させる。患者1の左右脚長差は患者2同様体細胞レベルのモザイクを示唆する。類似の患者及びモザイク例の蓄積が重要と考える。