【O-21】妊娠中2回の静脈血栓塞栓症を起こした胎児18トリソミー症例の遺伝カウンセリング
1)横浜市立大学附属市民総合医療センター 総合周産期母子医療センター
2)横浜市立大学附属市民総合医療センター 遺伝子診療科
3)横浜市立大学附属病院 産婦人科
2)横浜市立大学附属市民総合医療センター 遺伝子診療科
3)横浜市立大学附属病院 産婦人科
緒言:妊娠中に2回の静脈血栓塞栓症(VTE)を起こし,胎児18トリソミー症例の遺伝カウンセリングを経験したので報告する.症例:39歳4妊1産.妊娠11週にVTEを発症し,ヘパリンによる抗凝固療法を開始.妊娠14週2回目のVTEを発症し,下大静脈フィルター留置,抗凝固療法をアルガトロバンに変更した.妊娠20週で,胎児発育遅延,口唇裂,心奇形などを認め,胎児18トリソミーが疑われた.疑われる胎児疾患について情報提供,母体血栓症における妊娠継続のリスクについてご夫婦と医療者間で何度も対話を行い,結果夫婦は妊娠継続を希望された.妊娠中羊水染色体検査による確定診断は希望されなかった.既往帝王切開分娩であり妊娠37週,1626g女児を帝王切開で出生.出生後の染色体検査で18トリソミーの確定診断となった. VTE治療における妊娠中の薬剤の影響を含めた情報提供,また胎児疾患の情報提供で苦慮した点を報告する.