
【O-17】フェレット小脳皮質における分裂前後の顆粒前駆細胞に及ぼす新生仔期バルプロ酸曝露の効果
1)埼玉大学大学院 理工学研究科 生命科学コース
2)つくば国際大学 医療保健学部 保健栄養学科
2)つくば国際大学 医療保健学部 保健栄養学科
本研究は新生仔期フェレット小脳の分裂前後の顆粒前駆細胞に及ぼすバルプロ酸(VPA)曝露の影響を明らかにすることを目的とした。生後6、7日齢フェレット仔に200 mg/kg体重のVPAを投与した。VPA曝露前にS期を迎えた細胞を5日齢にEdU投与し、VPA曝露直後にS期を迎えた細胞を7日齢(2度目のVPA投与と同時)にBrdUを投与して標識した。BrdU単標識細胞はVPA投与群で前葉の内顆粒層全体と後葉の内顆粒層下半で有意に密であった。EdU単独標識細胞は前葉の内顆粒層上半でのみ有意に密であった両群でEdU単独標識細胞もBrdU単独標識細胞も多数がNeuN陽性を示した。前葉と後葉の内顆粒層下半でEdU/BrdU二重標識細胞がみられ、EdU標識(分裂後)の顆粒前駆細胞の自己複製が示唆されたが、その割合は両群間で差はなかった。以上の結果からフェレット小脳皮質のVPA曝露は分裂前の顆粒前駆細胞の増殖を促すが、分裂後の顆粒前駆細胞の自己複製には影響を与えないことが示唆された。