
【O-15】フェレット新生仔における脳室下帯神経前駆細胞の神経新生に及ぼすバルプロ酸曝露の影響
つくば国際大学 医療保健学部 保健栄養学科
本研究ではVPA直後のフェレット新生仔の脳室下帯神経前駆細胞の増殖・維持・分化を定量評価した。生後6、7日齢の仔にVPA(200μg/g体重)を投与した。5日齢にEdUを7日齢のVPA投与と同時にBrdUを投与し、VPA曝露前後に増殖した細胞を標識した。BrdU投与2時間後(7日齢)では、BrdU単独およびEdU/BrdU二重標識細胞は、VPA曝露群の脳室下帯において対照群に比べて密であった。これらの細胞の97%以上がPax6(basal radial gliaのマーカー)に対して免疫陽性を呈した。また、EdU単独およびBrdU単独標識細胞の両方で、Cux1(皮質II-III層ニューロンのマーカー)に対する陽性割合は、対照群に比べてVPA曝露群で高かった。以上の結果は、新生仔期のVPA曝露が、bRGを含む脳室下帯神経前駆細胞の増殖と、皮質II-III層のニューロンへの分化を促すことが示唆された。本研究は、つくば国際大学動物実験委員会の承認を受け実施された。