
【O-10】サリドマイドに係る雄性生殖を介した発生毒性
1)株式会社ボゾリサーチセンター 御殿場研究所
2)株式会社ボゾリサーチセンター つくば研究所
3)昭和薬科大学 薬物動態学研究室
4)国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部
2)株式会社ボゾリサーチセンター つくば研究所
3)昭和薬科大学 薬物動態学研究室
4)国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部
雄性生殖を介した発生毒性評価法の開発に取り組んでいる。臨床量のサリドマイドを雄ウサギに14日間反復経口投与し精液中濃度を求めた結果、血中濃度と同じか若干低値であった。ヒトとウサギで精液のpHに差はなかった。これを基に精液を通して女性が曝露される最大量を求め、雌ウサギへの投与量を算出し、妊娠1~13日まで膣内投与して妊娠28日に帝王切開した。その結果、児の生存性、体重、形態には影響がなかった。また、妊娠28日の母動物及び胎児血中にはサリドマイド及び代謝物の残留はなかった。妊娠13日の母動物血中濃度及び子宮内容物中濃度を測定した結果、母動物の血中濃度は雄経口投与時の血中濃度より低値で、代謝物はラット型が優位となる傾向を認めた。子宮内容物濃度は、母動物の血中濃度に依存したが、母動物血中濃度より低値で、着床位置による差はなかった。得られた結果から、サリドマイドの精液を通じた催奇形性作用はないと結論した。