
【O-9】ヒトiPS細胞を用いたシグナルかく乱作用のダイナミクスに基づく高精度・網羅的な発生毒性試験法の開発
1)国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部
2)横浜国立大学 大学院工学研究院
3)国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター
2)横浜国立大学 大学院工学研究院
3)国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター
現行の発生毒性試験は、ヒトでの予測性を担保するために多数の動物を用いる必要がある。その解決法として、ICH S5 (R3)ガイドラインでは動物実験代替法の利用について言及されているが、現在までに動物試験を網羅的に代替できる試験はない。我々は、胚・胎児発生がシグナル伝達により制御されることに着目し、化学物質によるそのかく乱作用を検出することで発生毒性を検出可能な試験法(integrated Signal Disruption Test: iSDT)を開発してきた。ヒトiPS細胞を用いたiSDT法は、既知の発生毒性陽性物質20種、陰性物質14種類を正確度0.91、特異度1.00、感度0.86で評価可能であった。また、動物試験では評価が困難であったサリドマイドやレナリドミド、ポマリドミドも適切に評価できることから、iSDT法はヒトの発生毒性を高精度・網羅的に評価可能であると考えられる。