
【O-7】複雑先天性心疾患をきたしたAGO1関連疾患の1例
1)神奈川県立こども医療センター遺伝科
2)神奈川県立こども医療センター循環器内科
3)神奈川県立こども医療センター臨床研究所
2)神奈川県立こども医療センター循環器内科
3)神奈川県立こども医療センター臨床研究所
AGO1 の病的バリアントは、自閉症スペクトラム、発達遅延、知的障害、顔貌の異形性などの神経発達障害と関連している。哺乳類モデルでは、microRNA(miRNA)生合成の欠陥は、先天性心疾患や拡張型心筋症に関連している。今回、われわれは,AGO1の機能喪失変異と部分肺静脈還流異常,左肺低形成,両側肺分画症,および拡張型心筋症を有する症例を経験したのでその臨床像をまとめた。AGO1は,マイクロRNAと遺伝子サイレンシング複合体を形成するArgonauteタンパク質をコードし、本症例ではde novo病原性バリアントを検出した。患者は3歳のときに原因不明の拡張型心筋症と診断された。エナラプリルとカルベジロールの投与を開始し,心不全は良好にコントロールされた。本例によってAGO1 に関連する表現型を、ヒトにおける複雑な先天性心疾患と拡張型心筋症に拡大することができるかもしれない。本研究は施設内倫理承認のもとで行われた。