
1)慶應義塾大学 医学部 臨床遺伝学センター
2)東京都立小児総合医療センター
3)慶應義塾大学医学部小児科学教室
2)東京都立小児総合医療センター
3)慶應義塾大学医学部小児科学教室
【背景】線毛病の一つであるOral-facial-digital (OFD)症候群は多発口唇小帯と軸後性多指趾症を特徴とし、少なくとも19個の原因遺伝子が同定されている。【症例】13歳男児。両側多指趾症、多発口唇小帯、房室中隔欠損症、知的障害・てんかんの症状を認める。【結果】PRKACB遺伝子にde novoのchr1(GRCh37):g.84700915T>C, c.1124T>C (NM_182948.4), p.(Phe375Ser) を同定。(倫理規定遵守)【考察】2020年にPRKACB変異はcardio-acro-facial dysplasiaという新規疾患の原因遺伝子として3家系4例が報告された。本報告は第2報である。初報ではOFDとの関連は言及されていなかったが、本症例のみならず過去2例も多発口唇小帯と軸後性多指趾症を認めたことから、PRKACBは新たなOFDの原因遺伝子と結論した。