
【O-5】Galectin-9による血小板凝集阻害作用
1)東北医科薬科大学 医学部 医学教育推進センター
2)東北医科薬科大学 医学部 生理学
3)金沢医科大学 一般教育機構(生物学)
2)東北医科薬科大学 医学部 生理学
3)金沢医科大学 一般教育機構(生物学)
ガレクチン-9(Gal-9)は、特定の糖鎖に親和性の高い動物レクチンの一種である。これまで明確な表現型は見つかっていないGal-9欠損マウスを詳細に解析したところ、野生型マウスに比べて末梢血中の血小板数が有意に少ないことがわかった。マウス骨髄細胞および末梢血血小板の解析では、Gal-9はCD41陽性の巨核球及び血小板に発現あるいは局在すること、さらに造血幹細胞の解析では、Gal-9欠損マウスと野生型マウスの間で、血小板を生成する巨核球の前駆細胞MEPsに差が認められなかった点から、血小板減少は巨核球分化への影響ではないことが示唆された。マウスを用いたブリーディングタイムアッセイでは、Gal-9 KOマウスはWTマウスよりも早く出血が止まること、さらに、ヒト血小板を用いた実験では、血小板凝集抑制作用が認められたことから、Gal-9は血小板凝集を負に制御している可能性が高いと考えられる。