【AL-2】白血病抑制因子はマウス絨毛膜細胞においてCRH/CRHR経路を介してプロオピオメラノコルチンを誘導する
1)金沢医科大学 医学部 解剖学1
2)中国医科大学 附属第一医院 産婦人科
2)中国医科大学 附属第一医院 産婦人科
我々はこれまでに、マウスモデルを用いた研究により、母体由来の白血病抑制因子(LIF)が胎盤の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の産生を誘導することを明らかにしている。本研究では、胎盤における LIF のプロオピオメラノコルチン(POMC)誘導作用が CRH依存的か否かを検証した。妊娠13.5 日のマウス母獣に LIF を腹腔内投与すると、胎盤 CRH の発現亢進が確認された。また、マウス絨毛幹細胞を用いた培養実験においても、LIFによるCrh mRNAの発現誘導作用が確認された。さらに、CRH受容体1および2 (CRHR1および2)、 JAK/STAT3、PI3K/AKTおよびMAPKの各阻害剤を用いてLIFの作用経路について検討した。その結果、LIFはCRH/CRHR1経路を介して間接的に絨毛幹細胞のPomc mRNAの発現を促進し、JAK/STAT3経路を介してACTH分泌を誘導することが示唆された。